top of page

オープンハンドとフルクリンプの違い|使い分けで怪我を防ぐ持ち方

「カチホールドを持つとき、なんとなく指をぎゅっと曲げて握っている」——多くのクライマーが、意識せずに使ってしまっているのが、指を深く曲げて保持する「フルクリンプ」という持ち方です。

実はこの持ち方、プーリー損傷など指の怪我と深く関わっていることをご存じでしょうか。一方で、「オープンハンド」と呼ばれる別の持ち方を意識的に使い分けることで、同じホールドを持つ場合でも、指への負担を大きく減らせることがあります。

この記事では、オープンハンドとフルクリンプ、それぞれの特徴の違いと、怪我予防の観点からどのように使い分ければいいのかを解説します。

オープンハンドとフルクリンプでホールドを持つクライマーの手元

オープンハンドとフルクリンプの違いとは

まず、それぞれの持ち方の基本的な違いを整理しましょう。

オープンハンド・フルクリンプ・半クリンプの指の形と特徴を比較した表

見た目の印象としては、オープンハンドは「指を伸ばし気味に添える」、フルクリンプは「指を折りたたむようにぎゅっと握る」というイメージが分かりやすいでしょう。

フルクリンプが怪我のリスクを高めやすい理由

フルクリンプでホールドを握り込むクライマーの手元

フルクリンプは、指を深く曲げることで小さなホールドにもしっかりと力をかけられる持ち方です。そのため、特にカチホールドの多い課題で自然と多用されがちですが、この持ち方には以下のようなリスクがあります。

  • 指を深く曲げることで、腱が骨から浮き上がろうとする力が強まる

  • その力を支えるプーリー(腱を固定する靭帯)に、大きな負荷が集中する

  • 瞬間的な荷重変化(スリップ、ランジなど)が加わると、プーリー損傷のリスクがさらに高まる

特に、ウォームアップ不足の状態や、疲労が溜まっている状態でフルクリンプを多用すると、怪我のリスクはより高くなるとされています。

オープンハンドが持つメリット

オープンハンドでホールドに指を添えている様子

ALT:オープンハンドでホールドを持つクライマーの手元

一方、オープンハンドは以下のようなメリットがあるとされています。

  • 指の関節をフルクリンプほど深く曲げないため、プーリーへの負荷が比較的分散されやすい

  • 指の腹を広く使うことで、ホールドとの接地面が安定しやすい

  • 継続的に使うことで、フルクリンプに比べて怪我のリスクを抑えやすい

ただし、オープンハンドは指の力だけに頼らず、体の使い方(重心移動や足の置き方)と組み合わせて習得していく必要があるため、フルクリンプに比べて習得にやや時間がかかると感じる人もいます。

それぞれの持ち方が向いているホールド・場面

ホールドの形状に応じて持ち方を使い分けるクライマー
クライミングのホールドの種類・場面別にオープンハンドとフルクリンプの使い分けを示した比較表

すべての場面でオープンハンドが正解というわけではなく、ホールドの形状によってはフルクリンプが必要になる場合もあります。大切なのは、「なんとなくフルクリンプ」を避け、状況に応じて意識的に持ち方を選べるようになることです。

怪我を防ぐための持ち方の意識づけ

  1. カチホールドで、まずオープンハンドで持てないか試してみる:フルクリンプが必須かどうかを一度確認する習慣をつけましょう。

  2. 疲労が溜まっている状態でのフルクリンプ多用を避ける:疲れているときほど、無意識にフルクリンプに頼りがちです。

  3. ウォームアップでオープンハンドの感覚を養う:軽い課題からオープンハンドを意識して登ることで、体に馴染ませていきます。

  4. フルクリンプを使う場合も、瞬間的な強い荷重を避ける工夫をする:スリップやランジの際、指だけに頼らない体の使い方を意識しましょう。

持ち方を変えることへの心理的なハードル

オープンハンドの練習に取り組むクライマー

長年フルクリンプに慣れている人ほど、オープンハンドへの切り替えには違和感を覚えることがあります。しかし、これは体の使い方の癖を変える練習であり、以下のように段階的に取り組むことで、少しずつ馴染ませていくことができます。

  • 最初は易しい課題で、意識的にオープンハンドを試す

  • 「握れない」と感じても、無理にフルクリンプに戻さず粘ってみる

  • 徐々に難易度を上げながら、オープンハンドでの保持力を養っていく

持ち方の切り替えは、一朝一夕にできるものではなく、日々の意識の積み重ねによって身についていくものです。

まとめ

オープンハンドとフルクリンプは、それぞれ異なる特徴を持つ指の持ち方であり、フルクリンプは小さなホールドに強い力をかけられる一方、プーリーへの負荷が集中しやすく怪我のリスクが高まりやすいとされています。オープンハンドは負荷が比較的分散されやすく、怪我予防の観点からは意識的に取り入れたい持ち方です。すべてをオープンハンドに置き換える必要はありませんが、「なんとなくフルクリンプ」を減らし、状況に応じて持ち方を選べるようになることが、長くクライミングを続けるための大切なスキルの一つです。

よくある質問(FAQ)

Q. フルクリンプは絶対に避けるべきですか?

A. 完全に避ける必要はありません。極小のホールドなど、フルクリンプが必要な場面もあります。ただし、多用しすぎず、オープンハンドとの使い分けを意識することが大切です。

Q. オープンハンドはなぜ習得が難しいと感じるのですか?

A. 指の力だけに頼らず、体の重心移動や足の使い方と組み合わせて力を発揮する必要があるため、フルクリンプに比べて感覚を掴むまでに時間がかかることがあります。

Q. 半クリンプはどう使い分ければいいですか?

A. オープンハンドとフルクリンプの中間の負荷特性を持つため、ホールドの形状や自分の指の力に応じて、無理のない持ち方として選択肢に加えるとよいでしょう。

Q. すでにフルクリンプの癖がついている場合、直すことはできますか?

A. 時間はかかりますが、易しい課題からオープンハンドを意識的に練習することで、徐々に持ち方の選択肢を広げていくことは可能です。

Q. オープンハンドに変えると保持力が落ちませんか?

A. 最初は感覚の違いから保持力が落ちたように感じることがありますが、継続的に練習することで、オープンハンドでの保持力も向上していきます。


HANÉKA紹介

オープンハンドやフルクリンプなど、ホールドに合わせて持ち方を使い分けることとあわせて、日頃から自分の手や指の状態を確認し、ケアする習慣をつけることも大切です。

クライマー向けハンド&フィンガークリーム「HANÉKA(ハネカ)」は、ベタつきにくいテクスチャーで、乾燥しやすい指先から手のひらまでしっかり保湿できるのが特徴です。クライミング後や休養日、入浴後、就寝前などのセルフケアにも取り入れやすくなっています。

HANÉKAは持ち方や技術面をサポートしたり、指の怪我を予防したりするものではありませんが、乾燥を防ぎ、手や指を健やかに保つための日常的な保湿ケアとして取り入れてみてください。

HANÉKAの商品ページでは、商品の特徴や使い方を詳しくご紹介しています。持ち方や指のケアに関する関連記事も、ぜひあわせてご覧ください。

クライミングをもっと快適に楽しむためのケア方法や、新商品・キャンペーン情報をLINE公式アカウントで配信しています。ぜひご登録ください。

クライマー向けハンド&フィンガークリームHANÉKA(ハネカ)の商品ページ案内

クライミングのトレーニングギアやケア用品をオンラインストアで見る

クライマー向けの指先ケアや最新記事・キャンペーン情報を配信するLINE公式アカウント
◆指皮ケアについてもっと知りたい方はこちら:

参考情報

本記事の内容は、以下のような分野の一般的な情報を参考にしています。

  • クライミングにおける指の持ち方(グリップポジション)とプーリーへの負荷に関する専門家の見解

  • スポーツバイオメカニクス分野における指関節の力学的特性に関する一般的な知見

  • クライミング技術指導における持ち方の使い分けに関する情報


コメント


bottom of page