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クライミング復帰までのリハビリステップ|腱鞘炎・怪我からの正しい戻し方

8月7日
読了時間: 6分

更新日:8月28日

「痛みが引いたから、そろそろ登り始めても大丈夫だろう」——そう思ってクライミングを再開した途端、また同じ場所を痛めてしまった。そんな経験はありませんか。


腱鞘炎や指の怪我は、痛みがなくなったタイミングと、組織が実際に回復しきったタイミングが一致しないことが多いスポーツ障害です。この「見た目の回復」と「本当の回復」のズレを理解せずに以前と同じ強度で登ってしまうと、再発を繰り返し、結果的に休養期間がさらに長引いてしまいます。


この記事では、腱鞘炎や指の怪我から安全にクライミングへ復帰するための段階的なリハビリステップを解説します。焦って登り始める前に、正しい戻し方を知っておきましょう。


怪我から復帰し軽い課題からクライミングを再開するクライマーの様子

なぜ「痛みが引いた=復帰OK」ではないのか

痛みは、体が発する警告サインの一つにすぎません。痛みが引いたとしても、腱や組織の修復が完全に終わっているとは限らないのです。

・炎症反応が落ち着いても、腱の強度が元通りになるにはさらに時間がかかる

・痛みを感じないのは「まだ負荷がかかっていないから」というだけのケースもある

・一度炎症を起こした部位は、以前より負荷への耐性が下がっていることが多い

・焦って強度を戻すと、同じ部位・別の部位での再発リスクが高まる

そのため、痛みの有無だけで判断せず、段階を踏んで負荷を戻していくことが復帰の基本です。

復帰前に確認しておきたいセルフチェック

クライミング復帰前に指の状態をセルフチェックするクライマー

本格的な復帰の前に、以下の項目を確認しておきましょう。

・日常生活の動作(物を握る、タイピングなど)で痛みが出ないか

・患部を軽く押しても痛みや熱感がないか

・指や手首の可動域が、怪我をしていない側と同じくらい戻っているか

・軽い負荷(グーパー運動など)をかけても違和感がないか

これらすべてに問題がなければ、次のステップである「段階的な復帰トレーニング」に進む目安になります。ただし、症状が重かった場合や、医療機関を受診していた場合は、必ず担当医の許可を得てから復帰しましょう。

クライミング復帰の段階的リハビリステップ

怪我からクライミングに復帰する段階的なリハビリステップ

復帰は、一気に以前の強度へ戻すのではなく、以下のような段階を踏むことが再発防止のポイントです。

クライミングの怪我から安全に復帰するための4段階リハビリステップを、フェーズ・内容・目安期間ごとに表形式でまとめた一覧。可動域回復から通常強度への復帰までの流れを分かりやすく解説した表。

各フェーズの間で痛みや違和感が出た場合は、無理に次の段階へ進まず、一つ前のフェーズに戻ることが大切です。

フェーズ1:可動域の回復

このフェーズの目的は「痛みなく動かせる範囲を確認すること」です。強度をかけるトレーニングではなく、ストレッチや軽い曲げ伸ばし運動を中心に行います。

・痛みが出ない範囲でのグーパー運動

・手首・指のゆっくりとしたストレッチ

・温感ケアで血行を促す(急性期を過ぎている場合)

フェーズ2:軽負荷での動作確認

クライミング復帰フェーズで大きなホールドを使う様子

大きなホールドを中心に、保持力にほとんど負荷をかけない課題から再開します。この段階でのポイントは以下の通りです。

・カチ持ちや強い引き付けを伴うムーブは避ける

・1本ごとに痛みや違和感の有無を確認しながら登る

・セット数・本数を通常の半分以下に抑える

フェーズ3:徐々に強度を上げる

痛みなくフェーズ2をこなせるようになったら、少しずつホールドサイズを小さくし、グレードを上げていきます。ただし、以前と同じグレードにいきなり戻すのではなく、1〜2グレード落とした強度から再開するのが安全です。

フェーズ4:通常強度への復帰

各フェーズを痛みなくクリアできれば、通常のトレーニングやグレードへの復帰を検討します。ただし、復帰直後は以下の点に注意しましょう。

・ウォームアップをこれまで以上に丁寧に行う

・連日の高強度トレーニングは避け、休養日を確保する

・再発の兆候(違和感、こわばり)があればすぐに強度を落とす

復帰期にやってはいけないNG行動

痛みを我慢してクライミング復帰を急ぐクライマーのNG行動

早く復帰したい気持ちが焦りにつながり、以下のような行動を取ってしまうケースがあります。

・痛みを我慢しながら以前と同じ強度で登る

・「今日だけは」と高強度トレーニングを再開してしまう

・ウォームアップを省略して、いきなり本気トライから始める

・復帰直後から毎日クライミングを詰め込む

これらはすべて再発リスクを高める行動です。復帰期こそ、普段以上に慎重な姿勢が求められます。

まとめ

腱鞘炎や指の怪我からのクライミング復帰は、「痛みが引いたかどうか」だけでなく、段階を踏んで負荷を戻していくことが再発防止のカギです。可動域の確認から始め、軽負荷の課題、徐々に強度を上げるフェーズを経て、通常のトレーニングへと戻していきましょう。焦らず段階を踏むことが、結果的に最短で安定した復帰につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 痛みがなくなってから、どれくらいでクライミングを再開していいですか?

A. 症状の程度によりますが、痛みがなくなってすぐではなく、可動域や軽負荷での動作確認を経てから段階的に再開するのが安全です。

Q. 復帰後に少し違和感を感じたらどうすればいいですか?

A. 無理に続けず、その日は中断し、前のフェーズの強度に戻してください。違和感を我慢して続けると再発リスクが高まります。

Q. 復帰時にホールドの大きさはどう選べばいいですか?

A. まずは保持力に負荷がかからない大きなホールドの課題から始め、痛みがないことを確認しながら徐々に小さいホールドへ移行しましょう。

Q. リハビリ中にトレーニングを完全に休むべきですか?

A. 患部への負荷を避けつつ、可動域を保つストレッチや軽い運動は継続することが推奨されます。完全な安静よりも、段階的な負荷調整が回復を助けるケースが多いです。

Q. 医療機関を受診していた場合、復帰の判断は自分でしていいですか?

A. 医療機関を受診していた場合は、必ず担当医の許可を得てから復帰の判断をしてください。自己判断での復帰は再発リスクを高めます。

HANÉKA紹介

リハビリ期から復帰期にかけては、指先や手首まわりのコンディションを整えておくことも意識したいポイントです。乾燥や皮膚のこわばりは、可動域の確認やストレッチのしやすさにも影響します。

クライマー向けハンド&フィンガークリーム「HANÉKA」は、ベタつきにくいテクスチャーで、指先までしっかり保湿できるのが特徴です。復帰期のセルフケアの一つとして、日々のコンディション維持に取り入れてみるのもおすすめです。

治療やリハビリそのものを代替するものではありませんが、無理のない範囲で日常ケアに役立ててください。

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参考情報

本記事の内容は、以下のような分野の一般的な情報を参考にしています。個別の症状や復帰時期の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

・スポーツ外傷後の段階的リハビリテーションに関する一般的な知見

・整形外科・スポーツ医学分野における復帰プロトコルの考え方

・クライミング障害からの復帰に関する専門家・トレーナーの見解


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