クライミングでホールドを持ち直す癖はなぜ起こる?指皮と疲労を減らす方法
「ホールドを掴んでは、なんとなく持ち直す」——意識していないと気づきにくいものですが、この「持ち直しの癖」、実は指皮の消耗や疲労の蓄積に大きく関わっていることをご存じでしょうか。
一度のタッチで確実にホールドを保持できるクライマーと、何度も掴み直してしまうクライマーとでは、同じ課題を登っていても、指先にかかる負担も、体力の消耗度合いも大きく変わってきます。この記事では、ホールドを持ち直してしまう癖がなぜ起こるのか、その原因と、持ち直しを減らして指皮・体力への負担を軽くする方法を解説します。

持ち直しがもたらす2つのデメリット
まず、なぜ「持ち直し」が問題になるのかを整理しておきましょう。
指皮への負担が増える:持ち直すたびに、ホールドとの間で余計な摩擦が生まれ、指皮の消耗が早まります。
体力・パンプの消耗が早まる:持ち直す動作自体が力を使う上、保持している時間そのものが長くなることで、疲労も蓄積しやすくなります。
つまり、「持ち直しが多い=見えないところで疲労と指皮を消耗している」状態だといえます。一発でしっかりホールドを保持できるようになることは、パフォーマンスだけでなく、指皮の消耗を抑えるという意味でも重要なスキルです。
クライミングでホールドを持ち直す主な原因

①オブザベーション(事前観察)が不足している
事前にホールドの向きや形状を十分に確認していないと、実際に触れてから「あれ、思っていた形と違う」と感じ、持ち直しにつながります。
②ムーブへの確信が持てていない
「このホールドをどう使うか」が固まっていない状態で触れると、手探りで持ち方を探るような動きになり、結果的に何度も触り直すことになります。
③恐怖心や不安から、無意識に確認動作をしてしまう
「本当にこれで大丈夫か」という不安から、必要以上にホールドを確認しようとする心理的な癖が、持ち直しにつながっていることもあります。
④指の感覚に対する経験不足
初心者のうちは、ホールドに触れた瞬間の感覚から「これで保持できるか」を判断する経験が少なく、結果的に何度も触って確認する必要が生じやすくなります。
持ち直しを減らすための練習法

①トライ前のオブザベーションを丁寧に行う
ホールドの向き、傾き、形状をよく観察する
「このホールドはこう持つ」というイメージを、触れる前に作っておく
他の人のトライを見て、持ち方の参考にする
②「一発で決める」意識を持って練習する
易しい課題で、あえて「一度触れたら持ち直さない」というルールを自分に課してみる
最初は完登にこだわらず、持ち方の精度を高めることを目的にする
③指の感覚を意識的に鍛える
ホールドに触れた瞬間、「これは保持できる」という感覚をつかむ練習を重ねる
様々な形状のホールドに触れる経験を積むことで、判断の精度が上がっていく
④恐怖心からの確認動作に気づく
「本当に持ち直しが必要な状況か」「不安から確認しているだけか」を意識的に振り返る
不安が原因の場合、易しい課題で成功体験を積み、自信をつけていくことも有効です
持ち直しが多い人・少ない人の違い

経験を積むことで自然と持ち直しは減っていく傾向がありますが、意識的な練習によって、そのスピードを早めることができます。
持ち直しを完全になくす必要はない

誤解しないでいただきたいのは、「持ち直し=すべて悪いこと」というわけではない、という点です。
難しいホールドや、持ち方の選択肢が複数あるホールドでは、慎重な確認が必要な場面もある
安全に関わる判断(不安定なホールドの見極めなど)では、丁寧な確認がむしろ大切
目指すべきは「無意識の癖としての持ち直し」を減らすことであり、必要な確認まで省略することではない
「なんとなく」で持ち直している場面を減らし、必要な場面ではしっかり確認する、というメリハリを意識することが大切です。
まとめ
ホールドを持ち直す癖は、オブザベーション不足、ムーブへの確信のなさ、恐怖心、指の感覚の経験不足など、いくつかの原因が重なって起こります。この癖は、指皮の消耗や疲労の蓄積を早める要因にもなるため、無意識の持ち直しを減らす意識は、パフォーマンスと指皮ケアの両面でメリットがあります。トライ前のオブザベーションを丁寧に行い、「一発で決める」意識を持って練習を重ねることで、持ち直しの少ない効率的な登り方を身につけていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 持ち直しは初心者に多いものですか?
A. 傾向としては多いですが、経験者でも新しいホールド形状や、確信が持てないムーブでは持ち直しが増えることがあります。
Q. 持ち直しを完全になくすべきですか?
A. 完全になくす必要はありません。必要な確認までなくす必要はなく、「無意識の癖」としての持ち直しを減らすことが目的です。
Q. オブザベーションが苦手です。何から練習すればいいですか?
A. まずは、トライ前にホールドの向きや形状をじっくり見る時間を意識的に作ることから始めてみましょう。他の人のトライを観察するのも参考になります。
Q. 持ち直しを減らすと指皮のトラブルは減りますか?
A. 摩擦の回数が減ることで、指皮への負担が軽減される可能性はあります。ただし、持ち方や強度など他の要因も関わるため、総合的なケアも大切です。
Q. 恐怖心からの持ち直しはどう改善すればいいですか?
A. 易しい課題で成功体験を積み重ねることで、少しずつ自信がつき、不必要な確認動作が減っていくことが期待できます。
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